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傷跡を目立たなくしていく塗り薬「アットノン」

【第2類医薬品】アットノン

 

300万個以上も売れたヒット商品、小林製薬の「アットノン」

 

傷跡に塗る薬ってありそうでありませんでした。

 

小林製薬の「アットノン」は10万個売れればヒット商品といわれる業界の中で、300万個を販売して、大ヒット商品となりました。

 

また、日経TRENDY、2011年のヒット商品にもランクイン(27位)しました。

 

アットノンは皮膚の新陳代謝を促進する

アットノンは、有効成分である「ヘパリン類似物質」が傷の周りの血流をよくし、皮膚の新陳代謝を促進して傷跡を目立たなくしていく塗り薬です。

 

ヘパリン類似物質とは?

アットノンに含まれる「ヘパリン類似物質」は医療用医薬品では「ヒルドイド」という商品名で発売されています。

 

「ヒルドイドソフト軟膏」など聞いたことがないでしょうか?
薬局ではほぼ毎日患者さんに渡す機会があります。つまり、「アットノンはヒルドイドのOTC(一般用医薬品)」と考えることもできます。

 

そんな「ヘパリン類似物質」には

  • 保湿作用
  • 抗炎症作用
  • 血行促進作用
  • 血腫消退促進作用
  • 線維芽細胞増殖抑制作用

5つの作用が主にあります。(小林製薬では保湿・抗炎症・血液促進の3種類しか紹介されていませんが...)

 

保湿作用

傷跡では汗腺がなくなっているので、水分の保持が上手くいっていません。
しかし、そこをヘパリン類似物質が水分を保持することで、傷跡の表面に柔軟性を取り戻させます。

 

抗炎症作用

また、傷跡の中では慢性的に炎症が起きています。なので元通りにするためには炎症を抑える必要があります。

 

血腫消退促進作用

難しい専門用語ですが、「無駄に血液が溜まるのを防ぐ」ということです。血液が溜まって固まってしまうと膨れ上がった傷跡になってしまいます。

 

線維芽細胞増殖抑制作用

これも難しい専門用語が入っていますが、「過剰に皮膚を作らせない効果」です。
傷ができると細胞が頑張って皮膚を作ろうとしますが、作りすぎてしまってケロイド(皮膚の塊)ができてしまうことがあります。それを防ぐ効果もあるのです。

 

血行促進作用

あとはとどめの血行促進作用です。保湿作用・抗炎症作用で回復する基盤を作れば、あとは自然に治っていくのですが、血行を促進して新陳代謝を活発にすることで、治る速度も上げます!

 

そもそもなぜ傷跡ができるのか?

傷ができると、まずコラーゲンという物質が修復をするのですが、傷ができてしまうと、そこにあった汗腺などがなくなってしまっているので、水分の調節が上手くいきません。

 

水分の調節が上手くいかないと刺激にとても弱くなってしまい、慢性的に炎症をおこして傷跡として残ってしまうのです。

 

効能は「傷あと改善」だけじゃない

アットノンは「赤みが残っていたりもりあがっている傷跡・やけどの跡に有効」と書かれていますが、アットノンの効能はもっと幅広いです。

 

子供の乾燥性皮膚にも効果があり、かかと・くるぶしのガサガサ(角化症)や手足のひび、そして冬場の女性が気にする手あれにも使え、しもやけにも使えます。

 

筋肉痛関節痛打ち身にも使えるなど、傷あと以外の効能効果も幅広く認められています。

 

特に、やけどの跡への効果は高いとされています。

 

傷『跡』じゃないと効果はない

あまり間違われることはありませんが、まだ「跡」になっていない場合は効果はありません。

 

ヘパリン類似物質は血が固まるのを防ぐ作用があり、血行促進作用によって、出血を悪化させてしまう可能性があるので、怪我をしてすぐには使わないようにしてください。

 

気にならない塗り心地

アットノンのジェルタイプはサラッとした塗り心地で、使用者から好評です。また、アットノンはジェルタイプだけでなくクリームタイプも発売していて、ジェルよりもしっとり感があります。

 

女性だけでなく、男性にも使え、男性からも好評なようです。

 

ユーザーの声

  • 塗ったすぐはアルコール消毒したような感じがあって、さらっとしていて、すぐ馴染んでいく感じ
  • 傷あとにアットノンを朝晩塗り込んでるんだけど、なんだか気持ち薄くなってきたような気がする
  • チューブに入っているやわらかくて軽いクリーム。馴染ませると塗った部分だけ少ししっとりした。心配していたべたつきはなかった
  • 即効性はないけれどアットノンはおすすめ!ゆっくり効いていきます
  • 塗った感じは、透明で伸びやすく、匂いも少しスーっとしたニオイがするけど、周囲にも気にならない程度の香りです

など、使用した人からは満足する効果が得られているようです。

 

評価が低い人は「1本でもっときれいに治ると思っていた」という人が多いようです。肌のターンオーバーは基本28日なので、傷跡によっては1本では足りないということが起こるようです。

 

正しく「傷あとケア」するために

アットノンは、肌のターンオーバーを助ける薬なので、塗ってすぐ効果は実感できません。約1ヶ月(28日間程度)継続して使用してください。

 

また、化粧水や美容液などを併用しても問題ないです。

 

紫外線を避けた方がいい?

紫外線について、ネット上ではいろいろな憶測が飛び交ってしまっているので、実際に小林製薬に問い合わせてみました!

 

結論として、アットノンを塗ったあとに紫外線に当たっても問題は特にないそうです。

 

ただ、常識の範囲内の検証しかしていないと思うので、紫外線は避けるように工夫することは大事だと思います。単純にお肌にも良くないですので...

 

誕生のきっかけは「女性のグチ」

ちなみに、アットノンの開発のきっかけになったのは女性社員だったそうです。

 

自転車で転倒して怪我をした女性社員の「痕がなかなか治らない」という何気ないグチが開発のきっかけとなったそうです。