目次(ページ内ジャンプ)
- 最初に確認すること
- とにかく温める
- 休める場合は無理をせず休む
- おへその上のツボを押す
- 薬局・ドラッグストアを利用する
- 食中毒のときは下痢止めは使わない!
- 下痢のときは出した分補給する
- 嘔吐、下痢の際の水分補給に手作り経口補水塩(ORS)の作り方
- もし潰瘍性大腸炎かな、と思ったら
最初に確認すること
まず確認するとても大事なこととして、痛みの強さです。
トイレに行けば治ってしまうケースが多いと思いますが、中には歩けないほどの痛みが続くこともあります。
激しい腹痛は命にかかわる病気のこともあるので、救急車を呼ぶことも考えてください。
下痢が1日中続く場合や嘔吐・発熱などの症状もともなう場合、水のような激しい下痢の場合は受診が必要ですので、医師に相談することをお勧めします。
とにかく温める
まずはお腹を温めてください、とりあえず応急処置として大事なことです。
腹部を温めることにより腹痛が緩和することがあります。これを罨法(あんぽう)といい、消化管の緊張を和らげる効果と蠕動運動を亢進させ、腹部膨満を緩和させる効果から改善します。
しかし、発熱などに伴う、虫垂炎や胆嚢炎などの炎症性疾患では温めるのは逆効果なので注意してください。
また、お腹を冷やすのは腹痛には効果がありません。(これはみんな分かると思いますが念のため)
温める例
- 自販機で暖かいお茶を買って飲む
- 買ったお茶をタオルに包んでお腹にあてる
- 腹痛用のカイロを持っておく(腹痛時以外にもけっこう使えます)
ジップロックに、水で濡らしたハンドタオルを固く絞ったものを入れ、おなかが痛くなった時に電子レンジで温めて(500W で 30〜40秒くらい)、それをお腹にあてて温める。とこんな方法もあるようです。
温める場所は?
どこを温めればいいかわからないという人もいると思いますが、まずは骨盤(尾てい骨の周り)や恥骨下を温めましょう。
骨盤内の血液の流れがよくなり、痛みが軽くなります。
また、足をあたためると血行が良くなり、痛みが軽くなる場合があるので、家などでは有効です。
休める場合は無理をせず休む
もし休める環境のときは、お腹をさすって暖めたり、うつ伏せになって寝たりしてください。腹痛が収まるまでは無理をしないようにしてください。
また、内臓痛は体の向きを変えることにより痛みが緩和する場合があります。
おへその上のツボを押す
「おへそ」と「みぞおち」の真ん中には「中かん」というツボが散在します。
これを指で少し痛みがするくらい押すと痛みが和らぐ効果が期待できます。
薬局・ドラッグストアを利用する
薬局やドラッグストアを利用するのも有効な手段です。
薬局などで薬を購入すると思いますが、腹痛の種類によって有効なものが異なります。
- 心窩部(みぞおち)の痛み
- おへそ周辺痛い内臓痛
- 鋭い痛みの体性痛
胃痛による場合が多いので、制酸剤入りの胃腸薬やH2ブロッカーが適切です。
鎮痙剤が効果があるということでよく使われます。
痛みを止めるため鎮痛薬が使われますが、鎮痛薬には胃が荒れるという副作用があるので薬を使わないというパターンも多いです。
具体的に買われている薬
以下に実際よく買われている薬を挙げます。
ブスコパン
薬局・ドラッグストアではブスコパンというお薬が効果あり、良く買われます。もう20年ぐらい使われている薬です。
ストッパ
ストッパはかなり人気が高く、薬剤師の中にも緊急時のために買ってカバンの中に入れておく人が多いです。
ストッパ下痢止めの有効成分はタンニン酸ベルベリンと、ロートエキス散です。
タンニン酸ベルベリンは下痢をとめ、腸の粘膜の炎症を抑えます。
ロートエキスは副交感神経に働きかけ、腸の状態を整え、また痙攣を抑える働きもあるので、下痢の腹痛にも効果があります。
ビオフェルミン
ビオフェルミンはいわゆる乳酸菌です。腸を整えることによって下痢を止めようという原理です。
乳酸菌なので、副作用がほぼないというメリットがあります
食中毒のときは下痢止めは使わない!
下痢は、「害のあるものを少しでも早く体の外に出す」という体の防御反応です。
なので、食中毒などの下痢は、むやみに下痢止めの薬を服用しないようにしてください。
下痢のときは出した分補給する
下痢になってしまうと、水分や塩分などのミネラル類を大量に排泄してしまいます。
そのままの状態では脱水症状になってしまいますので、こまめに水分やミネラルを補給してください。
スポーツドリンクの選び方
下痢などのときにはスポーツドリンクを飲むと思います。
実は、スポーツドリンクには、アイソトニック飲料(アクエリアスとかポカリスエットなど)と、ハイポトニック飲料(super H2O、アミノバイタルなど)という2種類があります。
アクエリアスなどのアイソトニック飲料は浸透圧が人よりも高いです。
一方、アミノバイタルなどのハイポトニック飲料は浸透圧が人と同等です。
なので、浸透圧の関係でハイポトニック飲料の方が胃腸への吸収率が優れています。
嘔吐、下痢の際の水分補給に手作り経口補水塩(ORS)の作り方
・1リットルの水に、小さじすり切り6杯の砂糖と小さじ1/2杯の塩を入れて混ぜるだけです。小さじ(5cc)がない場合は、ペットボトルのフタがちょうど同じ5ccに当たりますので、これで代用可能です。
・ペットボトルの清潔な水でなければ、可能なら一度煮沸した水の方がよいです。
・もしあれば、上記に100cc程度のオレンジジュースを混ぜると味がよくなり、カリウムを補充することができます。
・目分量で多少不正確になっても構いませんが、塩分が濃すぎるよりは薄目の方が飲みやすいです。きちんと作れば、涙よりも塩辛くならないはずです。
(引用)
ジュース類や炭酸飲料などは、腸を刺激してしまい下痢を悪化させることがあるので避けてください。
また、牛乳は栄養補給には効果的ですが、脂肪などが腸管を刺激するので、大量に飲まないようにしてください。
もし潰瘍性大腸炎かな、と思ったら
若い人の間で特に多いのが、この病気と言われています。
下痢が2週間以上続く場合や、下痢が繰り返す場合、潰瘍性大腸炎の可能性があるので、病院に行くようにしてください。
ひどくなると激しい腹痛や貧血なども起こします。早めに病院に行きましょう。ここでは食事について記載しておきます。
高タンパク、高カロリー、高ビタミンで、消化のよいものをとり、アルコールや炭酸飲料、香辛料などはの腸を刺激してしまうので控えます。
摂ってよいもの
- 高エネルギー
- 水溶性繊維
- タンパク質
- 鉄分
控えるもの
- 野菜(不溶性の食物繊維が豊富だから)
- アルコール
- 炭酸飲料
- 香辛料
傷ついた腸壁を直してくれるのはタンパク質であるため、タンパク質は摂るようにしてください。
また、潰瘍性大腸炎の症状があるときは体が炎症を治そうと働くので、多く のエネルギーを消費します。なので、それを補うためにカロリーを多く摂取する必要があります。