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「薬」は健康のために作られたもの
今は薬があるのが当たり前の時代です。「薬って何?」と疑問を持つことは少ないのではないでしょうか?
しかし、「薬って何?」と聞かれたとき、自分で納得して答えることができるでしょうか。
様々な説明があると思いますが、薬学の教科書には以下のように書かれていました。
「人間の健康状態を回復し、維持し、向上させるものを『くすり』という」
そして、その開発から適正使用までを、あらゆる視野から科学的に解明するための学問が薬学であり、『くすり』の中で、健康の回復・維持・向上を目的として作られたものが医薬品
つまり、「くすり」は、人間の健康状態を向上させていくものであり、これは野菜なども含まれると考えられます。
そして、野菜から回復・維持・向上を目的として作られたものは「医薬品」です。
キャベツは「くすり」、キャベジンは「医薬品」
例えば、キャベツは健康状態を良くし、維持しますが、目的は食用ですから「医薬品」ではなく「くすり」です。
しかし、キャベツの中からビタミンUを抽出して作られたキャベジンは健康の維持・向上のために作られたので「医薬品」です。
おかゆも「薬」と呼べるかもしれない
私の経験上、世の中でいう「薬」は一般的には「医薬品」の方を指していると思います。
なので、「薬とは、人の健康を良くする目的で作られたもの」というのが一つの答えになると思います。
ある意味、玉子などの「くすり」を使って作られたおかゆは「薬」なのかもしれません。
薬を飲めば健康になれるわけではない
上記の通り、「薬」は健康を回復させるものだけではなく、維持する目的のものも多いです。
実際、降圧薬などは「血圧を下げる」だけで、「高血圧の原因を治す」わけではないです。
なので、「薬」の力に頼るだけではなく、自分自身で健康でいるために努力していくのも大事です。
ちなみに法的には?
ちなみに法的な定義はどうでしょうか。医薬品医療機器等法では、日本における「医薬品」は、次のようなものになります。
- 日本薬局方に収められている物
- 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であって、機械器具、歯科材料、医療用品及び衛生用品でないもの(医薬部外品を除く。)
- 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって機械器具、歯科材料、医療用品及び衛生用品でないもの(医薬部外品及び化粧品を除く。)
とこのような感じですが、薬事に関わる方か薬学生以外はあまり気にしなくてよいと思います。
実際、細かくこの法律を理解している人は、現場の薬剤師、医師、看護師でもほとんどいません。
大事なのは、薬というのは今の健康状態を維持していくだけのものも多いため、健康でいるために自分で日々努力していくことも必要ということです。