神経症とは
神経症(神経症性障害、不安障害)とは、心因により体に異常を起こす病気です。
現在、神経症の根底には常に「不安」が存在すると考えられており、個人と環境の関係に何らかのきっかけが生じ神経症の発症につながると考えられています。
神経症は典型的な症状・病像はあっても、すべての神経症に共通の症状といったものはありません。
また、神経症の身体的症状は、身体に異常はないのに起こるというのが特徴です。
吐き気があるからといって胃を検査しても、胃には全く問題はないのです。
なので病院をたらい回しにされてしまうことも少なくありません。
症状はあるのにいくら検査しても異常がない。という方は一度精神科か心療内科で相談されると良いと思います。
神経症は、米国では生涯有病率(一生に一度はかかる確率)が25%という報告もあり、うつ病とともに有病率の高い疾患です。
症状
神経症の不安は漠然としたもので、特定の対象がないことが特徴です。
特定の対象がある不安によるものは「恐怖症」に区別されます。(例:対人恐怖症など)
現実に危険が迫っているわけではないのに、強い不安感が生じ、それによって症状(動悸、息苦しさ、めまい、冷汗、吐き気など)が出てしまいます。
そして、その症状によってまたさらに不安感が強くなるという悪循環に陥ります。この「また同じ症状が起こるのではないか」という不安を予期不安といいます。また、専門用語で広場恐怖ともいったりします。
「また体調が悪くなったら」という予期不安
神経症で悩んでいる人は、「予期不安」に一番苦しめられているといってもいいぐらい予期不安は厄介なものです。
さらに、予期不安は、あまり他人には理解できないので、そこも回復を遅らせてしまう一つの要因であると個人的に考えています。
神経症の人が感じる不安は簡単に制御できるものではないのです。
それを理解できず、「不安に思う必要ないのに」と周りは思ってしまうことがあるかもしれません。しかし、一度辛い症状を経験すれば、「もう一度体調が悪くなったら」と不安に感じるのは当然です。
周りの理解がないと、神経症で悩んでいる人はどんどん身動きが取りづらくなってしまい、より悪化してしまうこともあります。
もし周りに神経症の人がいたら、「不安がなかなか制御できない」という点を少しでも理解してあげるようにしてください。
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