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パニック障害

パニック障害とは、突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作を起こし、そのために生活に支障が出ている状態のことをいいます。

 

上記のような発作を「パニック発作」といい、このまま死んでしまうのではないかと思うくらいの激しい発作です。パニック発作のために救急車が呼ばれることは少なくありません。

 

そして、パニック発作はとても強い症状なので、「また起きたらどうしよう」と不安になり、発作が起きた場所や起きそうな場所を避けるようになってしまいます。

 

身体には異常はない

しかし、パニック発作のような症状が起こるにも関わらず、病院で検査をしても心電図や呼吸機能などには特に異常は認められません。

 

パニック発作の症状は心筋梗塞や喘息の症状に似ているため、最初は循環器や呼吸器に行くかもしれません。

 

しかし、「パニック発作のような症状を経験したけど身体に異常はなかった」という方は心療内科精神科に一度行ってみることをおススメします。

 

原因

原因ははっきりとは解明されていませんが、脳内のセロトニンやノルアドレナリンの分泌異常にストレスなどの心理的なものが加わって起きると考えられています。

 

疫学

パニック障害の生涯有病率(一生のうちに一度はかかる確率)は約3%と言われています。

 

なので、日本では約200万人が経験するということになります。

 

また、パニック障害は女性に多く、男性の2倍以上とも言われています。

 

予期不安によりさらに悪化してしまう

パニック障害には、「あの恐ろしい発作がまた起きるのではないか」という不安感(このことを予期不安といいます)があり、これが一番大変でもあります。

 

発作を繰り返すごとにこの不安がさらに強まり、症状を悪化させていってしまいます。

 

予期不安にみられる症状には、パニック発作が起こることに対する不安の他にも、発作が起こったときに人前で取り乱してしまうことや、人に迷惑をかけることを不安がることもあります。

 

予期不安を改善するためには、心から大丈夫と感じることが重要です。

 

表面的に「大丈夫だ」と考えるだけでは回避できません。ここがパニック障害などの神経症を経験したことがない人には理解しにくいところです。

 

なので、心から大丈夫と思うために、徐々に慣れていき、成功体験を積み重ねるということが一番の近道になります。

 

広場恐怖

広場恐怖とは、「広場」を恐がるという意味ではなく、パニック発作を経験した人が「特定の場所や状況を避けるようになる」ことです。

 

例えば以下のような状況です。

 

・電車やバス(特に混雑しているものや停車間隔の長いもの)
・人ごみ
・高速道路
・美容院、歯科
・慣れていない場所

 

これだけでなく、家族の運転する車なら大丈夫だけれども、他人の車はダメなど、さまざまな状況があります。

 

パニック発作で死ぬことはない

死んでしまうと思うような症状を何度も経験すれば、「悪化したら死んでしまうのでは?」など考えてしまうかもしれませんが、パニック発作で死ぬということはありません。
これはもの凄く大事なことなのでしっかり覚えておくようにしましょう。

 

この知識がしっかりしているかどうかで安心感に差が出ます。

 

治療

パニック障害では薬による治療とあわせて、少しずつ苦手なことに慣れていく心理療法が行われます。

 

最近では「自律神経が集まっている首を改善してパニック障害を改善する」という方法も行われています。

 

苦手なことに慣れていくとは、電車に乗るなど、一般的には当たり前のことだったりするので、周りは理解するのが難しいかもしれませんが、本人にとっては相当大変なことなので、自分のペースで慣れさせていくことが大切です。周囲もゆっくりと見守りましょう。

 

パニック障害を治す

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