ハンゲ(半夏)
日本名:ハンゲ
日本別名:半夏
英名:Pinellia Tuber
ラテン名:PINELLIAE TUBER
科名:サトイモ科(Araceae)
基原
サトイモ科(Araceae)、カラスビシャクPinellia ternata Breitenbachのコルク層を除いた塊茎
効能
ハンゲ(半夏)は六君子湯や柴苓湯、麦門冬湯などに含まれる生薬の一つです。
ハンゲには咳を鎮め、痰を出す効果があります。生薬の中では理気剤にあたり、気を鎮める作用があります。
また、ハンゲは何と言っても吐き気を抑える作用が強く、漢方には吐き気止めとして配合されていることが多いです。
えぐ味
ハンゲの有効成分はホモゲンチジン酸というもので、これがハンゲ特有のえぐ味の正体です。
えぐ味とは、「のどを刺激するような味」のことで、全く美味しくはありません。ハンゲを食べて2〜3分すると、のどがチクチクしてきます。痛いだけです。
薬学部では実習で食べてみることがあり、食べた直後は味が何もないからといって調子に乗って食べ過ぎて後で後悔する人もいます。
歴史
神農本草経の下品に収録され、その薬能は「傷寒寒熱、心下堅を主どり、気を下し、喉咽腫痛、頭眩、胸張、咳逆、腸鳴、止汗」と記載されています。
また、薬性論には「痰を消し、肺気を下し、胃を開き、脾を健にし、嘔吐を止め、胸中の痰満を去る。」と記載されています。
昔からのどの痛み、吐き気を止めるために使用されていたようです。