MENU

毎年公開される薬の売上

毎年、どの薬がどれだけの売上になったのかが公開され、記事になります。

 

毎年当たり前のように公開されますが、この記事から何を得ているのでしょうか。

 

これは私の偏見が入っているかもしれませんが、CDの売上ランキングみたいに扱われていませんか?

 

売上が上位=苦しんでいる人が多い

ある薬の売上が高いということは、その薬を使う病気で苦しんでいる人が多い証拠です。

 

以下、ある製薬会社の社員と薬学生です。

 

「うちのこの薬、これだけ売上を上げてます!(誇らしげに)」

 

「あの薬、800億円も売れてるらしい、すごくない!?」

 

 

...それだけ悩んでる人が多いってこと、分かっているのだろうか。

 

売上≒患者さん・国民の出費

患者さんによって1割負担・3割負担などの差はありますが、基本的に薬の売上の一部は「患者さんの出費」です。

 

患者さんは出したくて出したお金ではありません。

 

病気で辛くて、でもその薬を使わないとさらに辛いことになるからお金を出して、薬をもらっています。

 

3割負担でも、月に1万円を超える人もいます。

 

私も持病があり、毎月漢方薬をもらっています。

 

当然、みんな貯金だったり趣味に回すお金を削って出すわけです。

 

そんなお金の積み重ねが薬の売上なわけです。

 

自分の娯楽のために買ったCDの売上とか、車の売上とかと違う認識で見る必要があると思うんです。

 

意識しているかで差が出る

毎年公開される薬の売上の記事。

 

この記事は、「製薬業界はこれだけ儲かっている」というのを確認する記事ではなく、「これだけ病気で苦しんでいる人がいる」ということを再確認する記事であってほしいと思っています。

 

薬剤師やMRにとって薬のことなんて仕事かもしれません、薬を使っている人なんて赤の他人のことかもしれないですが、そういうことを意識するのもプロの仕事の一部だと思うんです。

 

心の中で一度思うだけで、患者さんとかに接するとき、無意識に態度に差が出ると思うんですよね。

 

そしてその差って、私の経験上ですが、意外とみんな気付くものです。

 

一つの記事でも、見方、感じ方次第で、その後、周りの人と築く信頼関係に少し違いが出るかもしれません。

 

最終更新日:2015年11月27日