概要
デパス(成分名:エチゾラム)は1984年に発売された抗不安薬です。
抗不安薬は主に不安を和らげる作用を持ち、「安定剤」「精神安定剤」とも呼ばれます。
リラックスさせ不安を減らす薬
デパス(エチゾラム)は「チエノジアゼピン系」の抗不安薬です。厳密には違うのですが、「短時間作用型のベンゾジアゼピン系」に分類されることもあります。
ただ、一般の方は「チエノジアゼピン系」といったことや「ベンゾジアゼピン系」といったことは気にしなくて大丈夫です。薬剤師もあまり気にしていません。
「デパス(エチゾラム)はリラックスさせ不安を減らす薬」と認識できれば十分です。
デパス=エチゾラム
「デパス」は商品名で、中身の成分の名前が「エチゾラム」です。
なので、先発品の「デパス錠0.5mg」と、GE(ジェネリック)の「エチゾラム錠0.5mg」は同じ薬と思って問題ないです。
作用機序・効果・特徴
脳にはベンゾジアゼピン受容体という場所があり、そこが刺激されるとリラックスする効果が働きます。
デパス(エチゾラム)はこの部分をより作動するようにすることで、抗不安作用(不安を和らげる作用)や催眠作用(眠くする作用)をもたらします。
この作用によって、ほかにも筋弛緩作用(筋肉の緊張をほぐす作用)や抗けいれん作用(けいれんを抑える作用)があります。
また、筋肉の緊張をほぐす効果もあるので、デパス(エチゾラム)は肩こりにも処方されます。
作用時間
デパス(エチゾラム)の作用時間は3〜5時間ほどです。
また、飲み始めてから30分程で効き始めます。
飲んでみると30分〜1時間の間がピークのように感じるかもしれませんが、実際は飲んでから2〜3時間が効果のピークです。
効き始めが効果を実感しやすいため、そこがピークと勘違いしやすいです。
適応
添付文書を見ると、デパスの適応は難しく感じるかもしれませんが、臨床的にデパスを使うのは、様々な原因で不安・緊張が強くなったり、筋肉の緊張が強くなってきている時です。
副作用
デパス(エチゾラム)は副作用が少なく安全な薬といわれます。
しかし、副作用が全くないというわけではありません。副作用で一番多いのは「ふらつき・眠気」です。眠気によってふらついてしまうのです。
なので、このお薬を飲むときには、車の運転などは控えるようにしてください。
お酒を飲むと副作用の危険が高まる
デパス(エチゾラム)は、アルコールによって作用が強めに出る薬です。
なので、この薬を飲んでいるときはお酒を控えるようにしてください。
お酒をどのくらい控えればいいか
この薬は体から抜けきるのに30時間ほどかかるので、この薬を飲んでから30時間程度はお酒を控えてください。
30時間という時間の関係上、「1日3回服用」など、頓服以外の場合はお酒は飲まないようにしてください。
頓服の場合でも、飲んだ日はお酒を控えるようにしてください。
また、アルコールは体から抜けるのに「ビール500mlで約3時間かかる(1000mlなら6時間)」と言われています。
アルコールが体から抜けきってからこの薬を飲むようにしてください。
もし、時間のコントロールが難しいと感じた場合はアルコールは一切飲まないようにしてください。
禁忌(使用禁止)
デパス(エチゾラム)は
- 重症筋無力症
- 急性狭隅角緑内障
の患者が使ってはいけないようになっています。
もともとこの病気の方に処方されることはありませんが、「デパス(エチゾラム)を使用中の方が緑内障になる」といったことは考えられます。
そのような場合は医師や薬剤師にこの薬を使っていることを知らせてください。