カンゾウ(甘草)
日本名:カンゾウ
日本別名:甘草
英名:Glycyrrhiza
科名:マメ科
基原
Glycyrrhiza uralensis FischerまたはGlycyrrhiza glabra Linneの根およびストロンで、ときに周皮を除いたもの(皮去りカンゾウ)。
効能
カンゾウ(甘草)は様々な漢方に含まれる生薬で、かぜ薬、鎮痛鎮痙薬、鎮咳去痰薬、健胃消化薬、止瀉整腸薬などにはほとんど配合されています。
甘草の有効成分は、グリチルリチン酸(Glycyrrhizic acid)と呼ばれるものが主です。
グリチルリチン酸には糖質コルチコイド様作用、エストロゲン様作用、鎮咳作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、高脂血症改善作用、抗ウイルス作用、発がんプロモーター阻害作用、血小板活性化因子産生抑制作用など、様々な効果があります。
副作用
甘草の特徴的な副作用として、偽アルドステロン症を起こすことがあります。
偽アルドステロン症とは、高血圧、むくみ、カリウム喪失などを起こす病気です。
→偽アルドステロン症とは
基本的に、少量で発症することはまれですが、浮腫やしびれ、手足のだるさなどの初期症状が出たときは医師・薬剤師に相談するようにしてください。
歴史
東西を通じ古代から広く薬用に用いられ、外国ではTheophrast(紀元前約300年)によって著書に紹介された。
中国では神農本草経の上品に収録され、「五臓や六腑の病、寒熱、邪気を主どる。筋骨を固くし、肌肉を長じ、力を倍し、金瘡や腫を治し、毒を解す」と記載されています。
日本へは奈良朝時代に唐朝の文化と共に渡来し、その実物が未だに奈良正倉院に保管されているそうです。