セルフメディケーション
現在、日本では高齢化が進み、生活習慣病なども問題になってきて、日々をいかに健康に生きるかが問われています。そこで注目されているのが「セルフメディケーション」です。
セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と世界保健機関(WHO)は定義しています。
風邪や軽いけがなど、自分で対応できるものは病院に行かず、市販薬を買ったりして自分でなんとかするのはセルフメディケーションです。
おそらく、知らず知らずのうちにやっていることかもしれません。
セルフメディケーションのメリット
政府のメリット
国のメリットとして、「保険医療費が抑制されることによって、国の負担が軽減される」ということがあります。
現場や患者にもメリットは存在しますが、国がセルフメディケーションを推進する一番の理由はこれです。
現場のメリット
現場のメリットでは、「症状が重い患者に時間をかけることができる」ということが挙げられます。
2015年現在、少子高齢化の影響もあり、医者の数が不足してしまっています。
医者だけでなく、薬剤師や看護師も足りていないというのが実情です。
そんな中、軽症でも病院や薬局に来た患者さんには平等に医療を提供していかなければならないので、どうしても医療の質が下がってしまいます。
しかし、セルフメディケーションの考えが普及し、軽症の患者さんは自分で対処できるようになると、現場では症状が重い患者さんに医療を提供できる時間が増え、医療の質を上げることができます。
患者のメリット
患者のメリットとして、「病院へ行く手間が省け、費用も抑えられる」ということが挙げられます。
病院へ行くと、順番待ちなどでどうしても時間がかかってしまい、病院と薬局の両方でお金がかかってしまいます。
しかし、ドラッグストアや薬局で購入できるOTC医薬品などで対処できれば、その購入費用だけで済みますし、時間も最小限で済みます。
注意点
しかし、注意点も存在します。
それは「本当は病院に行くべきなのに行かないで自分で対処してしまう」ということです。
風邪で咳がするなど、経験したことがあるものなら大丈夫です。
しかし、経験したことのない症状の場合はぜひドラッグストアなどの薬剤師に聞いてください。
正しい情報を入手し、正しい知識を身につけることがセルフメディケーションの第一です。
わからないときは自己判断をせず、薬剤師などの専門家の指導を受けながら行いましょう。
薬剤師やドラッグストアの登録販売者は慣れていますから遠慮せず聞いてください。
健康食品の注意点
また、サプリメントなどの健康食品を使用して病気にならないように予防することもセルフメディケーションです。
ここで注意なのですが、医薬品と違って健康食品は病気の治療を目的とするものではありません。
なので、病気のときは薬剤師やかかりつけ医に相談し、正しく対処しましょう。
そしてOTC医薬品を使用する際は、必ず説明書を読んで、正しい用法、用量を守ってください。誤った使用は症状を悪化させることもあります。