八味地黄丸(はちみじおうがん)
八味地黄丸は血の巡りを改善することによって様々な症状を改善します。
血の巡りを改善すると、疲れや冷えが改善されます。
また、腎臓に特に効果があります。腎臓は臓器の中でも血液が流れる量が多いので、血を改善すれば腎臓も良くなります。
それによって、ネフローゼ症候群や腎臓病、また頻尿なども解決します。
尿が改善すれば高血圧も改善されることがあり、そのため八味地黄丸は適応に高血圧もあります。
効能
漢方薬は体質や症状に合わせて処方されるので、目安ですが、八味地黄丸は次の場合に使用されます。
使われる人
- 疲労感がある
- 倦怠感がある
- トイレに行く回数が変わった
- 口が渇く
- 手足に冷感や熱感がある
こんな病気に使われる
- 腎炎
- 糖尿病
- 陰萎(インポテンツ)
- 坐骨神経痛
- 腰痛
- 脚気
- 膀胱カタル
- 前立腺肥大
- 高血圧
使われている生薬
八味地黄丸には、以下の8種類の生薬が配合されています。
▼配合生薬・効能
生薬 |
効能 |
ジオウ(地黄) |
血の巡りの改善、増血作用により強壮、解熱などの効果、また血糖降下作用も示す |
サンシュユ(山茱萸) |
消化器系や肝の働きを補う |
サンヤク(山薬) |
消化器系や肝の働きを補う |
タクシャ(沢瀉) |
体の水分を整える(利水) |
ブクリョウ(茯苓) |
精神安定作用、体の水分を整える(利水) |
ボタンピ(牡丹皮) |
体の水分を整える(利水) |
ケイヒ(桂皮) |
炎症、充血、自律神経の興奮などに伴って生じる熱感、のぼせ、ほてり、イライラなどの症状を改善 |
ブシ(附子) |
体を温めて強心作用を示す |
使い方
通常、1日2〜3回、食前又は食間に経口投与します。
食間とは、食事中という意味ではなく、食事と食事の間を意味します。つまり、食後から2時間経過した、胃の中が空の状態を指します。漢方薬は胃が空っぽのときの方が吸収が良いとされているからです。
しかし、食後に服用しても特に問題はありません。むしろ、吐き気などの副作用が強い場合は食後に漢方を服用することで、副作用を軽減できます。
注意する副作用
八味地黄丸は、ジオウ(地黄)を含んでいます。
ジオウ(地黄)は胃が弱い人などでは、食欲不振や吐き気などの副作用が出ることがあります。
その場合、食前ではなく食後に飲むことで副作用が和らぐことが多いので試してみてください。
それでも副作用が辛いという場合は医師に他の薬にできないか相談してください。
また、いつもと違う医師に相談する際は、服用している漢方だけでなく、他にどんな薬を飲んでいるかも伝えるようにしてください。
まとめのまとめ
八味地黄丸(7) |
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使われる人 |
疲労、倦怠感があり、トイレに行く回数が変わった。口が渇く、手足に冷感や熱感がある。 |
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診断 |
腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧 |
構成生薬 |
・ジオウ(地黄) |