葛根湯(かっこんとう)
テレビのCMやドラッグストアなどで、葛根湯(かっこんとう)という漢方薬を見たり、聞いたことがあると思います。
葛根湯は風邪のひき始めによく効く漢方薬です。
効能
葛根湯は次の場合に使用されます。
症状:自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり、比較的体力がある
診断:感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんましん
使い方
通常、1日2〜3回、食前又は食間に経口投与します。
食間とは、食事中という意味ではなく、食事と食事の間を意味します。つまり、食後から2時間経過した、胃の中が空の状態を指します。漢方薬は胃が空っぽのときの方が吸収が良いとされているからです。
しかし、食後に服用しても特に問題はありません。むしろ、吐き気などの副作用が強い場合は食後に漢方を服用することで、副作用を軽減できます。
また、葛根湯は風邪のひき始めに体を温め、免疫力を高めて使う漢方で、進行した風邪には効果が少ないです。このことを理解しないで使用してしまっている方もいますので、気を付けてください。
注意する副作用
手足のしびれや筋肉痛などの症状が現れた場合は、この漢方の副作用である可能性があるので、主治医や薬剤師に相談するようにしてください。
→偽アルドステロン症について
相談する際は、服用している漢方だけでなく、他にどんな薬を飲んでいるかも伝えるようにしてください。
使われている生薬
葛根湯には、以下の7種類の生薬が配合されています。
・カッコン(葛根)
・ケイヒ(桂皮)
・タイソウ(大棗)
・シャクヤク(芍薬)
・マオウ(麻黄)
・ショウキョウ(生姜)
・カンゾウ(甘草)
この中で重要なのはなんといっても葛根です。葛根は性質の穏やかな生薬で、下痢の治療にも使われますが、ここでは発汗作用によって熱を冷まし筋肉のこわばりをとる働きをします。
麻黄、桂皮は発熱を促進し、体の表面部にある病邪を汗とともに発散させます。
同時に芍薬で発熱しすぎになることを防ぎ、生姜、甘草、大棗で消化器の働きを高めます。
尿失禁に葛根湯?
葛根湯は風邪のひき始めによく効く漢方薬です。
しかし、尿失禁や頻尿に出されることもあるんです。
これは、葛根湯の構成生薬の中の芍薬による作用と言われています。
まとめのまとめ
葛根湯(1) |
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症状 |
自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり、比較的体力がある |
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診断 |
感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんましん |
構成生薬 |
・カッコン(葛根) |