半夏瀉心湯(14) |
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症状 |
みぞおちがつかえる、吐き気がある、食欲不振でお腹が鳴って軟便、下痢 |
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診断 |
胃腸カタル、下痢、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔、胸やけ、口内炎、神経症 |
構成生薬 |
・ハンゲ(半夏) |
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
半夏瀉心湯は胃や腸の働きを改善する漢方薬です。
胃や腸の働きが悪くなってくると、みぞおちのあたりのつかえ感や、吐き気、食欲低下、下痢などの症状が出てしまいます。
これらは命に別状はありませんが、日常生活を送るうえでは辛く、厄介なものです。
そんなときに半夏瀉心湯が使われます。
口内炎に効く漢方
また、半夏瀉心湯の適応には「口内炎」があります。
口内炎は身近な病気ですが、「原因が分からない」ということが多く、医師の先生でも治療に悩んだりします。
しかし、最近、半夏瀉心湯の中に含まれる生薬、オウレン(黄連)が口内炎に効くと北海道大学の研究で明らかになりました。
それから、口内炎に半夏瀉心湯を処方されることが多くなっています。割と速効性もあるようです。
効能
半夏瀉心湯は次の場合に使用されます。
症状:みぞおちがつかえる、吐き気がある、食欲不振でお腹が鳴って軟便、下痢
診断:胃腸カタル、下痢、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔、胸やけ、口内炎、神経症
使い方
通常、1日2〜3回、食前又は食間に経口投与します。
食間とは、食事中という意味ではなく、食事と食事の間を意味します。つまり、食後から2時間経過した、胃の中が空の状態を指します。漢方薬は胃が空っぽのときの方が吸収が良いとされているからです。
しかし、食後に服用しても特に問題はありません。むしろ、吐き気などの副作用が強い場合は食後に漢方を服用することで、副作用を軽減できます。
注意する副作用
手足のしびれや筋肉痛などの症状が現れた場合は、この漢方の副作用である可能性があるので、主治医や薬剤師に相談するようにしてください。
→偽アルドステロン症について
相談する際は、服用している漢方だけでなく、他にどんな薬を飲んでいるかも伝えるようにしてください。
使われている生薬
半夏瀉心湯には、以下の7種類の生薬が配合されています。
・ハンゲ(半夏)
・オウゴン(黄?)
・カンキョウ(乾姜)
・タイソウ(大棗)
・ニンジン(人参)
・オウレン(黄連)
・カンゾウ(甘草)
この中で重要なのはハンゲ(半夏)とオウレン(黄連)です。
ハンゲ(半夏)は吐き気止めとして効果が高い生薬で、胃の不快感による吐き気にも効果があります。
また、オウレン(黄連)は、胃薬としての効果もありますが、口腔粘膜の潰瘍を早く治す作用があり、口内炎にも効果があります。